« ターミネーター4 | Main | トランスフォーマー リベンジ »

真夏のオリオン

Orion 64年前に祖母が祖父に宛てた手書きの楽譜が、なぜかアメリカから届けられた。その理由を知るために、倉本いずみは当時の潜水艦乗員・鈴木の元を訪れた。鈴木の語る話に、楽譜に込められた想いを知ることになる。

 タイトルからは想像できなかったが、これは少々目線の違う戦争映画である。日本海軍の潜水艦と米駆逐艦の息詰まる攻防が描かれ、まるで大戦中の1シーンのような戦闘がみどころ。映像も雰囲気がでていて、双方からの視点で臨場感がある。劇中のほとんどは一対一の戦闘となり、何ともマニアックなものだろう。それゆえに、背景にあるドラマ部分が薄いのは気になるかも。戦時中のちょっといい話という内容にも、感動するのには、ちょっと物足りない。
 ドラマとしては、イ-77の艦長である倉本の人柄が、つらい戦いの中で乗員の希望となっている。軍人らしくないキャラに違和感もあるだろう。でも、モデルとなった人物がいるらしく、当時の艦長たちはこうだったろうかと思うと、戦争にも違った面が見えてくるようだ。終戦間際で本土への脅威が迫る中、潜水艦は最後の砦である。さらに、倉本は潜水艦乗りは自由だと語るものの、乗員の命を預かる責任も感じていた。イー77には人間魚雷《回天》が搭載されていても、使おうとしないのは軍人としての誇りなのだろうか。死ぬために戦っているのではなく、生きるための戦いだと言い切るあたり、共感できるのだろう。
 倉本と米駆逐艦の艦長スチュワートは、互いに難敵と認め、誇りをかけた戦いを繰り広げることとなる。倉本は魚雷も酸素も尽きかけるなか、奇抜なアイデアで難局を乗り越えてゆくのは痛快だ。そこで『真夏のオリオン』の楽譜が、戦闘中の駆け引きで敵艦の艦長の手に渡っている。少し無理があるところだが・・・ちょっといい話である。これは、親友の妹、志津子が倉本に送ったお守りの楽譜であって、込められた思いを読み取れる。オリオンは冬の星座で、夏には夜明け前に現れるという。詩的で意味深なメッセージ、戦時中での立場を超えて伝わる想いに救われるだろうか。 (ρ_;)


評価:moon2

|

« ターミネーター4 | Main | トランスフォーマー リベンジ »

「映画・テレビ」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/48770/45393688

Listed below are links to weblogs that reference 真夏のオリオン:

« ターミネーター4 | Main | トランスフォーマー リベンジ »