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March 2008

Sweet Rain 死神の精度

Sweet 不慮の死をとげる運命を迎える人間を観察し、生かすか死なせるかの判定を下している死神たち。死神の千葉が観察するのは、愛するものを次々と亡くしてきた薄幸の女性、一恵。彼女と接した千葉は、いつもとは違う判定を下した。

 伊坂幸太郎の同名小説を映画化。生と死をテーマに、人生の不思議な巡り会わせを描いたファンタジー作品のよう。久しぶりに邦画で主演の金城武と、小西真奈美の歌が注目される。
 ここで登場する死神は、人に死をもたらすのではなく生死の判定を下す。劇中で、ある死神が言うには「人生の最期を演出するプロデューサー」だとか。不慮の死を迎える人間を7日間観察する。それでは、対象者は事件や事故に見舞われるということ。そんなこととはいざしらず生きている人間である。人間界に現れた千葉は、真面目な死神のようで、一恵と接触して観察をはじめた。7日間で人の心を理解したのかわからないが、彼が雨男で青空を見たことがないというのは、その心を映しているのだろう。
 それにしても、どこかいい加減な仕事ぶりでユーモアのある死神たちだ。人間の生死には興味は無い様子で、結局はみな死の判定を実行するらしい。そして、なぜか人間界のミュージックを好み、そのことが千葉にいつもと違う判定をくださせる。「彼女は目的を果たしていない」と死の実行を見送った。その後、どうなったのか?時代を超えてつながってゆくストーリーが面白い。
 彼の言う「目的を果たす」とは?哲学的な問いかけのようだが、人それぞれ納得の人生を送れるかできまるはず。千葉は過去から現在、そして未来へと現れ人生をたどっていた。はたして2025年の一恵は不慮の死を迎えるのだろうか?そこで千葉の見た青空は何を意味するのだろう。一恵にとって幸せだったのか、不幸せか?それは死神が決めることではないようだ。では、死神の気まぐれが人生を変えたのだろうか?どうやら変わったのは死神なのだろう・・・。


評価:moon2

マイ・ブルーベリー・ナイツ

Blueberry 失恋したエリザベスを慰めるのは、カフェのオーナー、ジェレミーとブルーベリー・パイ。よき相談相手として、いつしかカフェに通うようになっていた。それでも立ち直れないエリザベスは、別れを告げずに突然、旅立ってしまう。

 失恋の傷を癒す旅で、さまざまな人との出会いを描いたロード・ムービー。ウォン・カーウァイ監督の初めての英語作品で、世界的シンガー、ノラ・ジョーンズの映画初出演が注目される。傷心の主人公エリザベスを演じるわけで、よくある物語も新鮮におもえた。そこで彼女の曲が挿入されないのは、あくまでも女優ということだろうか。その他、ジュード・ロウやナタリー・ポートマンなど豪華な共演者たちも見どころ。もっとも、彼らが垣間見せるドラマのほうが重く、深いテーマを演じる。比べれば、エリザベスの物語はよくある話だろう。失恋に傷ついたとき、気が付けば優しく慰めるジェレミーがいる。ここではブルーベリー・パイが二人をつなぐキーとなっている。はたして売れ残ったものか、残しておいたかは想像するとして、ジェレミーの心も彼女に惹かれてゆく。新たな出会いに恋の予感がするものの、エリザベスは突然、旅に出てしまう。恋人の家の向かいにあるカフェでは、気持ちを切り替えることができないのはもっともか・・・。それでも、心を打ち明けられるのはジェレミーだけであり、旅先での想いを手紙にしたためている。それを受け止め、彼女を待ち続けたジェレミーの立場は切ないのだが、これが二人の距離なのだろう。
 やがてエリザベスが出会うのは、別れた妻への愛を断ち切れないアル中の警官アーニー(デイヴィット・ストラザーン)や、誰も信じないことが信念の美貌のギャンブラー、レスリー(ナタリー・ポートマン)である。どこか自分と似た境遇の者たちに、満たされない愛を見るわけで、自らと照らし合わせることができたのではないだろうか。人を愛すること、信じることとは何か?すぐ傍にあった愛を確かめるには、かなり遠回りの旅となっている。
 二人は遠く離れても、心の距離はさほど離れていなかったのかもしれない。しかし、それを近づけるものは信じることのようだ。結末はどうなったのか?はっきりしないのは微妙なところ。そこからストーリーは始まるのだろう。少々あまいストーリー?いやはや甘いストーリーだろうか。


評価:moon2

バンテージ・ポイント

Vpoint シークレット・サービスに復帰したバーンズは、サミットでスペインを訪れた大統領の警護にあたる。しかし、彼らが警戒するなか演壇に立つ大統領が狙撃されてしまった。バーンズは観光客やテレビクルーから手がかりを得て、事件の真相に迫っていく。

 大統領の暗殺というショッキングな事件をめぐり、目撃者それぞれの視点で描く斬新な構成の作品。事件の起きた時間を8人の視点からたどっていく。つまり、同じシーンが8回繰り返されるというもの。ここでの8人は観光客や聴衆であり、はたまた犯人たちの視点でもある。それぞれが同じ時間に何をして、何を見たのか。ドラマは同時に進行していて、全てを観て事件の全体像が見えてくる。それゆえに核心に迫る場面で、ま~た最初に戻るのか・・と突っ込みたくもなるが、徐々に真相が明らかになってゆくのは面白い。
 このとき事件を追うのは、過去の事件での負傷から復帰したばかり、少々ブランクはあっても優秀な警護官のバーンズである。混乱する群衆のなか、まぎれた犯人を捜すため、旅行者のカメラやTVクルーが撮影した映像から手がかりを探る。犯人を追い詰める彼の活躍が見どころであるものの、そのなかで目撃者それぞれのドラマを垣間見る。当然のところ、皆、何らかの事情を抱えて居合わせたわけで、接点などない者が偶然に、そして必然的につながっていく。事件はわずかな時間で起きた出来事であっても、さまざまな思惑が見えてくる。物事を多角的にとらえれば真実は一つではないということだろう。舞台はテロ撲滅のサミットということからも、複雑な世界を象徴しているかのようだ。
 そこで、バーンズがたどり着くのは意外な真実である。もっとも、何が真実なのかと思えるほど、疑心暗鬼にさせる世界がそこにある。報道では都合のよい一面を見せようとするのとは対照に、カメラは真実を写していたのが印象的だ。一つの事件さえ、個々の視点では分からないもの、さらに人の心は見えていない。映画を観ているほうとしては、客観的に観ているわけで納得できるというもの。それが全てを見渡せる“バンテージ・ポイント”なのだろうか。できればそういう視点を持ちたいものだ。もっとも、劇中では全てを見渡せたのは、大統領本人であったはずでは・・・。


評価:moon1

ジャンパー

Jump_2 瞬間移動能力に目覚めたデヴィッドは、“ジャンパー”として世界中を飛び回り自由を謳歌していた。やがて、ジャンパーを悪しき者とみなす組織“パラディン”が、デヴィッドの抹殺に動き出したことを知る。

 夢のような能力、瞬間移動。もしも世界中を自由に飛び回ることができたなら、何をするだろうか。ここでは普通の少年が、突然、能力を手に入れる。ヘイデン・クリステンセン演じるデヴィットは、15歳のとき凍った川に落ち、ジャンパーとしての能力に目覚める。生命の危機に遭い、とっさのジャンプで図書館へと難を逃れた。ジャンプは行ったことのある場所へしかできないのは当然としても、とっさのジャンプが自分の家でないのが境遇を物語るだろうか。自由を手に入れた彼は、父親とのうんざりした生活を捨てニューヨークへと飛び出している。
 確かに、そんな能力があるならば、望むものを手に入れることができそうだ。デヴィッドは銀行の金庫室から大金を持ち出し、世界中を飛び回る。ある意味、危険な存在となったわけで、謎の組織パラディンの登場である。複数のジャンパーが存在し、それを抹殺するパラディンがいるという。しかも、ジャンパーとパラディンは何千年も戦っているのだとか。普通では飛び回るジャンパーには勝てそうも無いが、何やら専用の武器で追い詰めてゆく。自由を謳歌していたはずのデヴィッドが、自分と同じジャンパーの存在を知ったとき、パラディンに狙われていることを知ったとき、その世界は大きく変わってしまう。完全に自由な世界など無いことを知ったのだろうか。もっとも、自由には責任や代償が伴うもの。原作とは違った展開になったが、執拗に追いかけるパラディンの一人、ローランドとの目まぐるしく変わる戦いは、この作品ならではの面白さ。しかし、ジャンパー抹殺の為に手段を選ばないあたり、パラディンも悪しき存在にもおもえる。
 それにしても、瞬間移動は何のための能力なのか?悪しきものなのか、その力をどう使うのか問題だ。物語は、かつて家を出て行った母親の秘密に、思わぬ再開など謎めいた展開にすっきりしないところ。原作にはもう一人のジャンパーの話があるわけで、その能力の行く末を続編があるなら見せてほしいところだ。


評価:moon2

仮面ライダー THE NEXT

Next 本郷猛が秘密結社ショッカーを裏切ってから2年が経ち、今では高校の教壇に立つ日々。世間では奇怪な事件の噂が立ち、その影に恐ろしい陰謀が進行していた。やがて猛の前に現れたショッカーの刺客。そして第3のライダーが立ちはだかる。

 映画の世界ではアメコミヒーローが席巻する昨今。懐かしの和製ヒーローが帰ってきた。原点回帰として復活した前作に続く作品。大人の鑑賞に堪えるというよりも、完全に大人向けである。PG-12ということもあり、子供を同伴?して観る作品だろうか。もっとも、懐かしさを感じる世代が楽しめる作品のようだ。そこには、かつてのイメージを壊さずに、現代のテイストでリファインされたライダーの姿がある。もちろん仮面の下はイケ面というのも現代のテイストだろう。
 映像としては劇場作品ならではのクオリティに納得、リアルなバイク・アクションも楽しませてくれる。仮面ライダーはこうでなくては・・と思い起こさせるはず。さらに、今回の注目はV3ライダーの登場であろう。昭和のライダー世代のツボをつかれたようで、3人揃うと妙に嬉しくなってしまうものだ。劇中での当初は、本郷猛の敵として立ちはだかるわけで、彼の変化がこの物語の核心ということである。
 ただし、続編として気になることも無くはない。主人公である本郷猛のキャラは、前作よりもヤワな感じが際立っている。これも現代のヒーローか?それとも世を忍ぶ仮の姿だろうか。2年の空白を埋めるエピソードもほしいところ、教師になっている理由は如何に。一文字もどうしていたのか等々。まあ、あまり突っ込まずに観たほうがよさそうだ。アクションもさることながら、ストーリーも凝っている。物語としては前作がラブストーリーだったのは意外なところで、今回はジャパニーズ・ホラーの要素が色濃く出ている。演出は少々やりすぎの感じがするものの、それはそれでパロディとして楽しめるかもしれない。
 そのあたり、懐かしくも新しい作品である。ゆえに、かつてのヒーローは本格ヒーローへと変身できるのか?大人の楽しめる古くて新しいストーリーに、次なる展開を期待したくなる。誰しも変身に憧れていたはず。再び変身する夢を見せてほしいものだ。

評価:moon2

ライラの冒険 黄金の羅針盤

Compass この世界によく似た、とあるパラレルワールド。英国の学生寮に住む12歳の少女ライラは、真実を指し示すという羅針盤を手にした。そのころ、子供たちが失踪する事件が起こり、親友ロジャーもさらわれてしまう。かくして真実を求め、ライラの運命の旅が始まる。

 英国のベストセラー小説を映像化、壮大なファンタジーの世界を描き出す。3部作の1作目は、ライラが真実を探す旅へといざなわれるストーリー。少々、児童文学と呼ぶには難解で、風刺的な匂いのする物語である。キーとなるのは、真実を示すアレシオメーター(真理計)であり、読めるのはライラだけという。独自の用語がでてきて途惑うわけで、物語の筋がつかめないのが歯がゆく、原作を読んでみたくなった。
 もちろん映画化で期待する映像表現としては、さすがにファンタジーの世界を堪能させてくれる。そのあたりダイモンやクマと会話できるし、魔女は空を飛ぶ。昨今の映像表現に鈍感になっているのだろうか。さりげなく見せる不思議な映像が自然に見える。
この作品での面白い設定として、誰しも動物の姿をした魂の化身“ダイモン”が寄り添っている。それは生死をともにし、決して離れることはないという。しかも子供のうちはダイモンの姿が定まらないのだとか。ライラのダイモンも場面ごとに変化していて、本人の心を映している。劇中では、ゴブラーという組織が子ども達のダイモンを切り離そうとしていて、なにやら意味深ではなかろうか。
 そこでライラの親友ロジャーもさらわれ、船上生活者のジプシャンたちと救出にむかうというのが主なストーリー。旅の途中で、鎧熊のイオレクをはじめ協力者と出会うことになる。しかし、このパラレルワールドの謎は明らかにはならない。教権が世界を支配し、なにか重要な真実が伏せられているようだ。大人たちは皆、これから起きることを隠しているようで、誰が味方なのか怪しいかぎり。いろんな勢力のライラを利用しようという思惑が見え隠れしている。それでは旅の行方が気になってしまうが、今回はここまで・・・。
さらに物語の謎は深まってしまった。もっとも、冒険は始まったばかりか・・。ライラとともに真実を探すことになりそうだ。

評価:moon2

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