ジェシー・ジェームズの暗殺
19世紀のアメリカに名をとどろかせたアウトロー“ジェシー・ジェームズ”。彼に憧れる若者ロバート・フォードは、ジェームズたちの列車強盗に加わり仲間として受け入れられた。しかし、時の流れは彼らに過酷な運命をもたらすことに。
野心家の若者ロバートが、有名なアウトロー“ジェシー・ジェームズ”暗殺にいたるまでを描いた、その心に迫る作品。ジェシー・ジェームズは数々の犯罪に手を染めたお尋ね者だが、その一方で南部の人たちからは英雄視されている。銀行強盗に列車強盗と彼にまつわるエピソードは数知れず、伝説の真偽のほどは定かではないらしい。日本では馴染みの無い人物ゆえに、ロバートが憧れる気持ちや、ジェシーのカリスマ性はどうも伝わらないところ。まあ南北戦争後のはなしで、元南軍のゲリラだった彼が英雄的に慕われるのも頷けるだろうか。それでは彼は英雄か?それとも犯罪者か?どちらもyes,すべては物事の二面性ともいえる。見方や立場が違えば、まったく違って見えるはず。そのあたり、劇中の出来事や人物にもあてはまるのだろう。
この作品ではジェシーの生涯で晩年の部分が描かれている。伝説を残す強盗団とはいえ、いつまでも続けられるわけないのがこの世界。多額の懸賞金がかけられるようになると、手下たちが裏切りはじめた。互いに不信感を抱くようになるが、ロバートの心はどうだったのか。憧れていた彼を懸賞金のために殺したのだろうか?ジェシーはロバートに撃たれることを予見していたようで意味ありげだ。セリフは無くとも二人のあいだにある想いが、分かるような分からぬような。言葉にならない思いが伝わってくる。それでは暗殺は正しかったのだろうか?犯罪者の末路としては、やむを得ないかもしれない。いっぽうで、英雄?ロバートのその後についても描かれていて興味深い。暗殺の場面を芝居で演じては、賞賛されるはずが卑怯者とののしられる始末。やがて自らも悲惨な最期を・・・。
それにしても憧れ続けた人物を殺すとは、心のうちの複雑さを見るようで解釈できないところだ。もっとも暗殺の真相は闇の中、二人の心の内はわからないままである。歴史に名を残すのはジェシー・ジェームズ。どうやら暗殺者は英雄にはなれないようだ。
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