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October 2007

ブレイブ ワン

Brave ラジオ番組のパーソナリティーを務めるエリカは、婚約者との幸せな日々を送っていた。とある晩、暴漢に婚約者を殺され、自身も瀕死の傷を負う。全てを失った彼女が銃を手にしたとき、なにかが変わった。夜の街をさまよい制裁をはじめるのだった。

 もし、大切な人を奪われたなら犯人をどう思うだろう。復讐のため殺人を犯すことは許されるのか。そして耐えられるだろうか。正義とは?彼女の行動は漠然とした疑問をなげかける。この物語の主人公エリカは幸せな日々から一転、希望を失う。ラジオ番組でNYの魅力を語っていた彼女は、もはやすれ違う人に恐怖を感じてしまうほど。この街で彼女の心は安らぐ場所を失った。
 そんな彼女が身を守るために銃を手にしたとき、怯えていた心は変わっていく。夜の街をさまよえば頻発する犯罪、この街の影に幸福とは表裏の世界を見たのかもしれない。そして一向に進まぬ捜査に苛立ち、自ら悪に制裁を下していく。謎めいた『処刑人』としてメディアに取り上げられ、賛否の分かれた世論を巻き起こすことに。それは正義なのか?犯罪者と同じではないのか?自らの行為に葛藤することになるわけで、まだ救われるところだろう。もっとも、手にした銃も始まりは身を守るために使ったはず。一線を越えたとき、とっさの行動もどこか確信してのことのようだ。その力は純粋に悪に向けられる、そして犯人にたどり着いたとき、彼女の決断は・・・
 物語で見どころは、彼女に興味を持ったマーサー刑事と親交を深めてゆくくだり。最初は事件の被害者として、ラジオのリスナーとしてである。ここで犯罪を取り締まる立場から『処刑人』へのジレンマを語っている。法の下では対極にいる二人であり、彼女との会話での微妙なやり取りがまた意味深い。捜査を進める中、犯人像が彼女と重なっていくとき彼の決断は・・・
 法とは・・、正義とは・・、すべてが救われる世の中でないのは事実。怒りを向けるのは悪に対してしかないのだが、最後の二人の決断をどう見るかは人それぞれ。答えは出そうにない。

インベージョン

Inv 精神科医キャロルのもとへ、夫が別人になったという患者が訪れた。周囲で起こる異変に気づいたキャロルは、友人の医師とともに原因を探った。それは未知の生物による侵略。息子をつれて逃走するものの、すでに世界中で侵略は進んでいた。

 ある朝、家族が別人になっていたら?自分が自分でなくなるとしたら?はたして生きてゆけるだろうか。謎の生物による侵略を、心理的な恐怖で描くSF作品である。原作はSFの古典といわれるジャック・フィニーの小説『盗まれた街』。これで映画化は4回目となるらしい。シンプルなストーリーはさまざまにアレンジできるわけで、現代に置き換えた設定が妙にリアルに感じられる。
 ここでの侵略者とは、シャトルの残骸とともに地球へやってきたウィルスのようなもの。人に感染すると睡眠中に意識を支配してしまうという。彼らの静かな侵略は気づかぬうちに進行している。いつもと変わらぬ街、それでも何かが違っている。人々は感情を失っているのだ。ここに侵略者の姿はないわけで、見た目には昨日と同じ人間のままである。怖いのは違う人格になった人間が敵となってしまうことだろう。やがて感染していない者を襲い仲間を増やしていく。それでは異変に気づいた人たちはどうすればいいのか?彼らを欺く為には、感情を出してはいけない。自身が感染したなら、変わらぬ為に眠ってはいけないという。それでは人としての安らぎを奪われてしまうようだ。生きるためには彼らと同じになるか、もしくは戦うしかなく二者択一の選択はあまりに苦しい。この物語では、侵略者と戦うのは精神科医の女性である。子供を守るため、自身が母親であることを失わないために必死の抵抗を試みる。まあ眠らないとか・・・しかないのだが。
 物語のなか意味深に思えるのは、侵略者の彼らが説く「人類が皆、家族であるなら争いは起こらない」という理屈。彼らに全てを委ねるなら、戦争のない世界を実現できるだろうか。彼らが力で思想を統一するならば、それは人類と同じではないか?もっともらしい理由も、心を失くしては生きる意味もないだろう。それにしても、劇中に見る心を失くした人間の世界は、現代社会と重なって見えて何処か恐ろしさを感じた。知人が別人のように見えるとき、侵略は静かに始まっているのかも。


キングダム 見えざる敵

King サウジアラビアの外国人居留区で自爆テロが発生、数百名が死傷した。ここで同僚のFBI捜査官を失ったフルーリーは、現地での捜査を要請するものの与えられたのは5日間だけ。FBIは4人のスペシャリストを送り込むものの、多くの困難が待ち受ける。

 いまだ繰り返され、解決の糸口さえ見つからないテロ。ここで描かれる出来事は実際の事件を幾つかモチーフにしており、かつてのニュースが思い出される。あの9.11以降テロを題材とした作品も多く、テーマもさまざまに問いかける。この作品は、どちらかといえば双方の視点で描かれていて、客観的な捉え方はテロの根源に迫るものだろう。テロは肯定できないが、今一度、現実の出来事の視点を変えてみてもよいのではないだろうか。
 物語は、同僚を殺され復讐に燃える捜査官フルーリーが主人公。首謀者を捕まえたくても国外の事件では捜査は思うに任せず。現地へと飛ぶものの政治的な思惑から自由な捜査ができない。彼らはまったく違う価値観に戸惑うことになるが、ここは王族が支配するキングダムである。国家が莫大な富を得ながら生まれる貧富の差。経済で協力関係にありながら、敵対する宗教や文化。矛盾した世界が交わったとき、大きな歪が生まれているようで、テロリストを生み出してしまう国家間の微妙な関係を浮き彫りにしている。
 この微妙な関係の狭間で、犯人を捜査するというフルーリーたち。彼らはFBIの捜査官であり、精鋭とはいえたった4人でしかない。戦場でなくともそこは敵地であり、いつ襲撃されるかわからない。劇中の後半では、車が襲撃され仲間がさらわれる事態へと発展してゆく。市街での銃撃戦ではロケット砲まで飛び交い、まるで戦場のようだ。ハンディカメラの映像はリアリティがあって、その場に居合わせたかのような映像に恐怖を覚える。
 かくして難しいテーマと思っていたが、こうして見ると問題は意外にも単純なことに思えた。もっとも、事を複雑にするのは見えない人の心だろう。それでも捜査を進める中で、FBI捜査官フルーリーとサウジ国家警察のガージーは心を通わすことになる。それがせめてもの救いだろうか?異なる文化もいつか通じあえることを信じたいものだ。

ローグ アサシン

War 3年前、FBI捜査官のジャックと相棒のトムは、伝説の殺し屋ローグを追い詰めたものの取り逃がし、トムが家族とともに惨殺されてしまう。そして今、マフィアの抗争の影にローグの姿があった。復讐を誓うジャックとの決死の戦いが始まる。

 ジェイスン・ステイサムとジェット・リーの共演など、東西のアクションスターの対決が満載の作品。リアルな格闘の連続には、ただ堪能できる。しかし、これで終わったら普通のアクションものになってしまうところ。謎めいたストーリーは、微妙に緊張感をもたらしている。舞台となるサンフランシスコで、ヤクザとチャイニーズ・マフィアの抗争を裏で操るローグ。はたしてどちらの味方なのか?その目的はなにか?といった疑問もわいてくるが、最後に明らかになる展開だ。ほんとうの最後なので、そこにいたるまでに少々退屈に思える場面も、あくまで前フリだろう。ひねりの効いたストーリーは、前フリとしての派手なアクションに惑わされてしまう。後から思えば、さり気ないセリフが暗示しているようだが、素直にだまされた方が楽しめるはず。 
 今回注目のキャストとして、ジェット・リーの演じる殺し屋ローグは謎を秘めた雰囲気がいい感じだ。そしてステイサムも、いつものダーティーなイメージそのままで合っている。その他、ジョン・ローンにケインなど注目したいところだが、あくまで脇役といったところ。そのあたり、ヤクザ役として日本人も出演しているものの、日本の描かれ方はちょっと違うのでは・・、まあ洋画なのでこれはご愛嬌か。
 この作品の面白さは、最後の思わぬ展開につきる。はじめはジャックの復讐劇だったものが、最後には登場人物の見え方が変わってしまう。そのあたり2人の対決が全てのわけで、ドラマとしてはタイトルがシックリこない感じだった。よく観れば原題は『war』ではないか。こちらのほうが意味深で、二人の間にある複雑な感情をあらわしているようでもある。そうなるとチャイニーズ・マフィアにジャパニーズ・ヤクザ、FBIの三つ巴の戦いは意味ありげに見えてしまった。なにが正義で復讐なのか?組織の抗争、個人の闘争や駆け引きは、疑心暗鬼で混沌とした世界の縮図なのだろうか。その後、ローグの向かう先が気になる。

幸せのレシピ

Noreservations 人気レストランで料理長を務めるケイトは毎日が忙しい日々。そんな彼女が、突然9歳の姪と生活することになった。家庭と仕事の両立に戸惑うケイトをよそに、オーナーは新しいシェフを雇っていた。

 人生において仕事が全てと思っていても、肩の力を抜いてみれば、また違った人生も見えてくるのだろうか。ケイトは姉が事故で亡くなり、幼い姪を引き取ることとなった。仕事に情熱を傾けていた彼女は、家庭との両立をしなければならない。これは突然、人生の転機を迎えた一人の女性の物語である。完璧主義者で恋などしないつもりの彼女は、充実した生活を送っている・・・はず。幸せとは?もちろん料理長としての仕事に意気込むわけで、客を満足させること・・・のはず。でも、シェフとしてのプライドはときにクレームをつける客と衝突することも。これでは彼女の求めるものは自己満足でしかないようだが。そこでケイトのいない間に雇われたシェフ“ニック”は腕は一流、陽気な性格で厨房を盛り上げる、それがケイトの気持ちを逆撫ですることにも。対照的な性格はしばし対立することにもなる。ここで2人を近づけたのは姪のゾーイ。ケイトと打ち解けることのできない、母親を亡くしたゾーイの幸せとは・・・。やはりケイトの思いとは違っている。ゾーイに必要なのは完璧な母親ではない。ニックとケイトの関係も、ほんの少しのさじ加減で変わってゆく。
 それぞれが描く幸せの形は違うわけで、一つになるには相手を思う心が必要なのだろう。自分の幸せに他人の幸せ、本当の幸せってなんだろうと思える。もちろん自分を信じることは大切。しかし、どうしても立ち行かないとき、人を信じることも必要だろう。もっとも、1人よりも3人のほうが、幸せを感じられるのかもしれない。3人を繋ぐもの、彼女の作る絶品のサフランソースのように隠し味も必要かもしれない。

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