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March 2007

ホリデイ

Hori ハリウッドで成功した女社長のアマンダは離婚を決意し、ロンドンに住む新聞記者アイリスは失恋したばかり。心を整理する旅に出たいと考えていた2人は、ネットの<ホーム・エクスチェンジ>で知り合った。休暇中に家や環境すべてを交換した生活が始まる。

 キャメロン・ディアスとケイト・ウィンスレットの共演が注目のラブ・コメディ。ここで2人が試みるのは、ホーム・エクスチェンジという少々なじみのないシステムである。休暇の間、家や車、環境をすべて交換するというもの。誰しも気分を変えたいとき、環境を変えたいと思うはず。アマンダとアイリスは互いに求めるものが違う、こと恋愛も失恋も対照的だ。そこでアマンダが求めたのは静かな郊外のコテージ、対してアイリスは大きな家を探していた。本人もビックリな豪邸になってしまったが・・・。かくしてアマンダのプール付き豪邸と、アイリスのメルヘンチックな郊外のコテージを交換することになる。これで2人にとって、休暇中の2週間は理想の環境で過ごせるはず。でも、雑多な日常のアマンダには静かすぎる生活はやはり退屈。そして、不便なものだろうか。いっぽう、アイリスは広すぎる豪邸での生活を満喫するものの何かが足りない。ここに無いものは人とのコミュニケーション。恋人との関係が上手くいかなかった2人なわけで、本当に必要なものを感じたに違いない。そんなところに突然の出会いが訪れ、傷ついた心は癒されてゆく。こんなにうまく行くのは映画の世界ではあるのだけれど、アットホームなラブコメにほっとするところ。
 やはり、人とのコミュニケーションなくして生きてはいけない。かといって健全な関係を築くのは難しいもの。2人は求めていたものを探していなかったのではないだろうか。それを気付かないのも人生かな。人生を交換することはできないけれど、環境を変えて気づくこともある。それぞれ新しい出会いがあって、新しい生活が始まった。2人は変わったのではなく、本当の自分を見つけられたのだろう。それならば、たまには人生に一息いれてみたいものだ。

デジャヴ

Deja フェリーの爆破事件に駆けつけた捜査官のダグは、現場で発見された女性の死体に事件の手掛りを見つけた。そのとき感じた《デジャヴ》彼女を知っている気がした。彼はFBIの捜査に加わり、極秘に開発された“過去の映像”を見る装置で彼女を監視するが・・・。

 ときに感じる不思議な既視感“デジャヴ”。未知の力といったものを予想していたが、斬新なアイデアはSFの世界へと飛躍してしまう。いきなり登場する《タイム・ウィンドウ》なる秘密の装置に少々ついていけないところ、ここでのダグはすんなり納得しているようだ。サスペンスとして観るとギャップに戸惑ってしまう。この怪しげな装置では4日と6時間前の世界を自由に見ることができるわけで、事件はすぐに解明するかに見える。それでも見ている過去の時間も流れていて、制限事項もあってうまくは行かないというのがみそである。やがてクレアの生活を垣間見るうちに、ダグは彼女を救うことを考えている。この装置は映像を観るだけではなく、物質を送ることも出来るのではないかと。過去へ干渉して彼女を救えるのか、フェリー爆破を阻止できるのか?最後はダグ自身が・・・。アクションもあってスリリング、事件発生までのタイムリミットが迫り、次第に緊迫した展開に引き込まれてゆく。
 こういった時間軸の前後するストーリーで面白いのは、劇中にいくつもの謎が示されていること。疑問に思って観ていると、最後にはすべてがつながってゆく仕掛けに感心する。でも、過去を変えれば未来も変わるわけで、それでは過去は変えられないのでは? SFだから、あまり深く考えないほうがよいだろうか。ストーリーは案外シンプルで物足りないかもしれない。クレアにたいするダグの時間を越えた恋心(?)、その行方はどうなるのか。その他の登場人物にもドラマがほしい。
 この物語の最初にダグの感じたデジャヴは、パラレルワールドの自身の記憶。SFとして観られるのは面白い解釈である。それにしても、起きてしまった出来事を変えるには、ダグのように過去へ飛び込むしかないのだろうか。でも、変えられそうで変わらず、最良の結果となるかもわからない。結果を選べるならばよいのだが、時間は流れてしまう。やはり未来は決まっていないようだ。もしも変えられるなら・・・、きっと繰り返しそうだ。

バッテリー

Bat 原田巧は自分の投球に自信を持つピッチャーである。中学入学をひかえ家族とともに引っ越してきたばかり。一人で練習を続けるなか、同級生の豪と出会いバッテリーを組むことに。しかし、中学での生活も家庭も順調ではなかった。

 あさのあつこのベストセラー小説を滝田洋二郎が映画化。巧たち少年の熱いドラマは、どこか懐かしくもあり、苦い思い出もよみがえるようだ。主人公の巧は、才能あるピッチャーだが性格には少し問題がある。曲がったことが嫌いで、入学そうそう風紀委員や、管理野球を強いる顧問ともめる始末。自分を押し通す性格は、孤立してしまうことにも。クールな巧が笑顔を見せないわけは、野球が大好きだが病弱な弟・青波がいた。そして、青波を気遣うあまり巧に冷たくあたる母や、野球に無知な父がいる。ゆえに、好きなはずの野球がいつしか重くのしかかっていた。そんな巧の新天地での生活は、理解のある祖父や、豪たち野球好きの仲間にかこまれ順調に進むかに見えた。しかし、成長著しい巧との実力差はひろがり、手を抜いた巧に豪はバッテリーの解消を口にする。強豪チームとの再戦が迫るなか、青波が倒れるなど波乱の展開。家族の絆や友情はどうなるのかといった部分は、クライマックスを迎えて一番の見どころである。その他のドラマとして、野球部顧問とかつての監督である祖父との確執。さらには巧にあこがれる同級生・繭との関係などが挿入されているものの、どこか曖昧でスッキリしない。
 それにしても気になる強豪チームとの再戦、その結果は・・・これも曖昧なままか!もう少し余韻がほしいところだろう。もっとも、今の巧には仲間がいる。家族の応援もあるならば、自分のための大好きな野球ができるのだろう。おのずと結果は明らかだろうか。劇中では、「巧の野球は何のため?」といった疑問を仲間は投げかけている。いつしか辛い野球をしていた巧なのだ。しかし、ここで描かれている部活も、大人たちも楽しむことを忘れていないだろうか。好きなことに打ち込む、それは楽しいことのはず。真直ぐな巧の想いが自然に思える。

パフューム ある人殺しの物語

Pa 18世紀のフランス、孤児として育ったグルヌイユは人並外れた嗅覚の持ち主だった。パリで香水の調合を学ぶと、高度な技術を求めて職人の街グラースへと旅立ち、究極の香水創りに没頭していた。そのころ街では、不可解な女性の連続殺人が起こるのだった。

 不思議で幻想的、そして恐ろしい物語。ベストセラー小説、パトリック・ジュースキントの「香水 ある人殺しの物語」を映像化。類まれな嗅覚を持ったことから、香水調合師として究極の香水を創ろうとする男の物語である。しかし、目的の為には人殺しもいとわない男の物語であることに恐怖する。彼の生い立ちは悲劇であり、最下層の人間にとって優れた嗅覚をどう生かすのかもわからない。悪臭と香りを区別しない、あまりにも純粋な想いが悲劇を招いてしまうのである。
 そんな彼の運命を変えたもの、それはパリでプラム売りの少女と出会ったこと。香りに魅了されるまま付き纏い、騒ぐ彼女を誤って殺してしまった。彼が求める究極の香水とは彼女の香り、あのとき感じたものを再現することである。究極の香水創りには、生き物の香りを取り出すことが必要だった。試行錯誤をくりかえし、やがて禁断の香水を作り上げたグルヌイユ。それは、人が超えてはならない一線を越えてしまうことに。
 やがて罪は暴かれ、公衆の前で裁かれることになった。しかし、処刑場へと現れた彼の姿はもはや罪人ではなく、香りに魅了され人々は天使として崇める。究極の香水は人々を陶酔させてしまった。彼が望めば、世界も手に入れることが出来たのだろう。しかし、その結末はあまりにも衝撃的である。彼が欲したものは愛すること、愛されること、何よりも自らの存在理由だったのではないだろうか。失った者が戻らないように、その香りもいつか消える。香りとともに消え去ったグルヌイユの想いは切ない。 
 彼は人殺しであったが、人が売買され無実の者さえ処刑される時代である。悪臭や香りも同じにおいなら、同じ人を分けるものとは何か。香水の香りで消し去ることは出来ないものだろう。

ゴーストライダー

G2 病気の父を救うため、17歳の時に悪魔メフィストに魂を売ったジョニー。時は流れ、バイクのスタントショーで有名になった彼の前に再びメフィストが現れた。悪魔の反逆者を捕らえるために、悪魔の力を与え“ゴーストライダー”に変身させたのだ。

 実写化されるアメコミキャラも、ついにここまできたか。炎をまとったドクロ男というヒーローらしからぬキャラは、まさにゴーストか悪魔のいでたち。何故にニコラス・ケイジが演じるのかも微妙ではあるが、ゴーストライダーと重なって見えるのだから面白い取り合わせではないだろうか。そして、夜になれば恐ろしい姿へと変身して、見つめるだけで過去の罪を悔い改めさせる『贖罪の目』で悪人に裁きを下す。今回は地上の地獄化を企む悪魔から、破滅の危機を救うことになる。まさにヒーローなのだが、表立って活躍をしていない。悪徳警官を殺して、警察からも追われる立場である。影のヒーローというシチュエーションは、派手なキャラとは対照的で面白いところだ。悪を倒すという単純な行為に、次第にヒーローに思えてくる。
 その映像は、まさにコミックの世界そのままにゴーストライダーは駆け抜ける。理屈のいらない活躍には、ただ納得するしかないようだ。CG満載で、こうなると実写やアニメ、コミックの世界がつながっているように思える。その他に過激なスタントシーンも見もので、どこまでもアメリカっぽさを満喫できる作品である。
 使命感を持ったジョニーは、悪魔の力を手に入れて何をなすのか?かつての恋人ロクサーヌとの再会に、関係はどうなるのか?悪魔メフィストとの対決は・・・。いろいろと興味がわいてくるのだが、今回はここまで・・・。せっかくの前フリに、このまま単発で終わってはもったいない。ニコラス・ケイジのゴーストライダーをもう少し楽しませてほしいものだ。

守護神

Guard 伝説的な沿岸警備隊員であるベンは、任務中に相棒を失い心に深い傷を負った。一線を退き訓練校の教官に赴任した先で、訓練生で元・高校水泳王者ジェイクと出会うことに。二人は反発しながらも、親子のような絆で結ばれる。

 沿岸警備隊レスキュー・スイマー達の活躍を描く海洋アクション。人命救助に人生をかけてきた男の挫折と、その中にも師弟の絆、夫婦の絆といったドラマが盛り込まれている。重いテーマにアクションを交えて見せているだけに、伝わり方はそれぞれではないだろうか。そして、主演は久しぶりに登場のケビン・コスナーである。深いしわに時の流れを感じるものの、渋さを加えてまだまだイケている。そういうわけで、今回は伝説の隊員で、少し歳を感じ始めた男なのである。
 ベンは人命救助にすべてをかけるあまり、夫婦の仲はうまくいかず、さらに相棒を失ったトラウマを抱えている。救助のエキスパートも家庭を守れないのが皮肉なところだ。対して曲者の訓練生ジェイク、優秀だが仲間を求めず過去を引きずっている。恋人との関係も微妙である。どこか似ている境遇の二人は反発し、そして触発されてゆく。師匠と弟子(?)はたまた世代交代といった、この手のストーリーはよくあるわけで、どういったラストを迎えるかが見どころである。海洋モノで邦画のヒット作を思い起こしたが、訓練の厳しさやリアルな描写は、さすがに見ごたえがある。ただし、夫婦の絆や恋人との関係にいまひとつドラマがないのは物足りないところかもしれない。もっとも、劇中で見ることになるのは命のやりとり。皮肉にも二人には過酷な運命が待っていた。
 命を救うこととは、時に残酷で非情な決断も迫られ、自らを危険にさらすことでもある。救いを待つものにとって彼らは神のごとく、救う側にとっても神の領域に近いのではないだろうか。救った数は忘れても、救えなかった命の数は覚えているベンである。自らの行為が彼を苦しめるわけで、人として苦悩している。それでも人を救えるのは人でしかなく、その場にいる自身でしかない。迷いのない彼の行為は人を超えてしまっているようだ。

幸せのちから

Happy 医療機器のセールスマンであるクリスは、大儲けを見込んで買い取った機器が売れず、家賃を払えない始末。妻に逃げられ、家も追い出されてしまう。すべてを失いかけたとき、息子のため一流証券会社への就職を決意。採用を賭けた6ヶ月無給の研修生活が始まる。

 全財産を失い、ホームレスから億万長者へとのしあがった男の実話を描いた物語。ウィル・スミスが実の息子と競演しており、愛情がにじみ出る実感のこもった演技は見どころ。ここでのクリスは何もかも空回り、ときにはそんなこともあるはず。事態が良くなるのを待てればよいのだが、その日暮らしでは余裕などあるはずもない。次々と起こる不幸には同情できるし、親子の絆はどうなってしまうのか気になるところ。それにしても、クリスは必死のセールスをしていても、あまりにも楽観的ではないだろうか?そもそも悲惨な状況を作ったのはクリス自身である。大きな夢を見る前に、現実を知るべきではなかったのか。自業自得というよくあることでも、そこから変わることができるかは注目すべき面白いところである。
 そんな彼が全てを失いかけたとき、選んだのは待つことだった。証券会社での6ヶ月もの研修期間である。しかも、採用されるには厳しい競争に勝ち抜くことが必要だった。それは追い込まれてのことなのか?はたまた楽観的に思ってのことなのだろうか?持ち前のセールストークと数学力、さらにアイデアで勝負する。生活がかかっているわけで、後がないだけに必死に取り組まざるをえない。これが思わぬ成果をあげることになった。何が起きるのかわからないのが人生でも、ここまでうまくいくとはドラマチックだ。彼にとっては、今まで人生の歯車がかみ合わないだけだったのだろうか。諦めない、諦められない息子への想い。それが全てかもしれない。 
 結果として就職がかない、のちに億万長者へとのぼりつめることに。彼は幸せを手に入れた。もっともホームレスのときも、はじめから幸せな親子だったのかもしれない。親子の絆、信じる心、それが支える力になったはず。何が幸せなのか?小さな幸せに大きな可能性を見せられるドラマである。

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