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October 2006

ブラック・ダリア

Blackd ロサンゼルスの空き地で見つかった、若い女性の惨殺死体。黒いドレスを着た、腰から切断された彼女の死体は“ブラック・ダリア”と呼ばれることに。2人の若い刑事が真相を追い求めるが、意外な真実に直面する。

 実際の迷宮入り事件をモチーフにした、ジェイムズ・エルロイ原作のサスペンスを映画化。事件を解き明かす物語と思っていたが、登場人物のドラマが交錯して、さまざまな人間模様を描き出している。それゆえ、なかなか事件の真相に迫らない展開が歯がゆい。ここでの主人公は、元ボクサーの警官バッキー。同じく元ボクサーのリーと、警察のPRの為ボクシングで対戦することになった。Mr.アイスにMr.ファイアと呼ばれるように、性格も対照的な二人の対決は面白い展開である。しかし、試合に負けたバッキーは、望みどおりの大金を手に入れるあたり、物語での意味を考えてしまう。息詰まる熱戦の真実は本人にしか分からないもの。事件のように、目に見える事柄がすべてではないのだろう。
 これをきっかけに、コンビを組んだ二人が捜査を行う「ブラック・ダリア事件」。ここまでは前フリのような展開だ。やがてリーは、執拗なまでに捜査に没頭してゆくことになる。リーと同棲中のレイも、過去は何やら怪しげであり、三角関係の行方といった部分も気になるところだ。そのあたり、事件には関係なさそうなドラマが続いてゆくが、関係にひずみができたとき、事件は意外な方向へとつながってゆく。その他の登場人物たちにも翻弄され、謎は深まるばかり。サスペンスとして意外な人物が・・という展開はよいとしても、どうもスッキリしないかもしれない。それぞれの背景が複雑に絡み合って、事件同様に迷宮入りしそうだ。登場人物の相関関係を知っていれば迷わずに観られるだろう。難解な関係ゆえに皆、怪しげに思えるのは、それぞれが秘密を持っているからだろうか。もっとも、誰にでも秘密はある。迷宮入りした事件の真相よりも、浮かび上がるのは、ずっと複雑な心の迷宮のようだ。


16ブロック

Sixteen 夜勤明けの刑事ジャックに突然下された任務。それは留置場の男を証人として、わずか16ブロック先の裁判所へ護送すること。しかし、その途中で何者かに襲撃されてしまった。応援に元相棒のフランクたちが現れるが、彼こそ首謀者だった・・・。

 突然の不運に見舞われる刑事ジャックを演じるのは、久しぶりのアクションを見せるブルース・ウィリス。僅か16ブロック先(1.6km)の裁判所へ証人を送る簡単な仕事のはずが、不運にも事件に巻き込まれることに。そのあたり、はまり役「ダイ・ハード」のマクレーンと重なるだけに、激しいアクションも見たいと思うのだが、少々控えめだろう。もっとも、昔のイメージで見てしまうのは辛いところかもしれない。今回の役では、酒に溺れ、中年太りで足を引きずるありさま。それは苦肉の策かもしれないが、もちろん、カーアクションに銃撃戦もあるわけで、ソコソコ?楽しめる内容ではある。物足りない分はドラマを見せるのだろう。複雑な事情が絡んでいて痛快さはないものの、最後までドラマ部分は見どころ。ダメ男が変貌する活躍は映画としては面白い。そして、ともに逃走することとなるのは、頼りない犯罪者エディ(モス・デフ)。警察内部の汚職に絡んだ証言をするはずだという。そういった事情から、ジャックの元相棒フランクたちに追われる事となるわけで、危なげな二人が味方のいない状況をどう乗り切るのか、スリルある展開が続く。そして、ジャックとフランクには過去の因果もあるようで、意外な展開を見せるのは後半の見どころである。そのあたり、ドラマとして伝わらないのはもどかしいところだろう。
 もう少し泣ける話であったなら、感動もできたはず。そして、もう少し笑えるなら痛快なストーリーになっただろう。クリスマスの不運であったなら笑えただろうか・・。最後まで見れば、誇りを失った男の再生ストーリーであることがわかるはず。結果として、ジャックは良心を取り戻すことができたのだろう。チョイ悪たちが活躍する昨今、自らを正し正義を貫く姿にホッとするところである。正しい行動に必要なのは僅かな距離であっても、それは長い道のりだろうか。

ワールド・トレード・センター

World 2001年9月11日、いつもと変わらぬ朝を迎えたニューヨークに、突然訪れた最悪の事態。現場に急行した港湾警察の隊長ジョンとウィルたちは、ビルに残された人々の救助に向かう。しかし、無情にもビルの崩壊は、すべてを一瞬で飲み込んでしまった・・・

 9.11、崩壊し多くの人が犠牲となった、ワールド・トレード・センター。実際の映像を交えて、救助にあたった人たちの恐怖、そして勇気を描き出す。今更ながら現実とは思えない出来事に、恐怖とともに当時の記憶がよみがえる。あらためて、あの日消え去ったのはタワーではなく、多くの命なのだと痛感できるだろう。そして、犠牲となった人それぞれにドラマがあったわけで、生還したジョンとウィルにも彼らを待つ家庭があった。 救助活動の最中、ビルの崩壊にまきこまれ、救出された二人の真実の物語である。
 あの日、ジョンとウィルは、自ら飛び込んだビルの倒壊によって瓦礫に閉じ込められてしまった。身動きがとれず、過ぎてゆく時間と死の恐怖。仲間を亡くした悲しみ、怒り、絶望。すべてが凝縮されて痛々しい。皮肉なことに、あとは「救助を待つ」それしかできないのだ。二人と共に、時間の長さを感じられる。
 現場は、いまや対テロの象徴となっているが、人の悪しき行為を見ると同時に、人の善を確認することも出来るのではないだろうか。救助の為に駆けつけた看護師、元海兵隊員、多くの人々の力によって、残された命を救うことができた。混沌とした世界のなかで一筋の希望に見える。そこだけ見れば美談で終わるのだが、劇中でその後の出来事を匂わせているのは、戦争作品を描いてきたオリバー・ストーンのメッセージだろうか。悪しき連鎖は終わっていない。
「9.11」その後の世界を変えた日、善と悪の交錯した場所「ワールド・トレード・センター」・・・あの日、世界は何を交換したのだろうか。

ザ・センチネル 陰謀の星条旗

Sentinel 大統領を警護するシークレット・サービスに、大統領暗殺計画にかかわっている者がいる。局員殺害事件から内部捜査を進めるブレキンリッジは、かつての恩師ギャリソンを容疑者として追うことに・・・。

 マイケル・ダグラスと、キーファー・サザーランドの共演が注目のポリスアクション。大統領を命がけで護るというシークレット・サービスの活躍が描かれ、臨場感のある警護のシーンが見どころ。ストーリーは、かつて体を張って大統領を護ったギャリソンのもとに、大統領暗殺計画の情報がもたらされた。同時に、局員が殺害される事件が発生し、大統領専用へりは撃墜されてしまう。局内の内通者捜査を担当するのは、昔の相棒でもあるブレキンリッジであり、現在は過去のトラブルから嫌悪する仲である。よくある話かもしれないが、内部に裏切り者がいるという設定からして、サザーランドがTVドラマでお馴染みのキャラにかぶって見える。そして、少々、人物の相関関係や師弟の確執の理由もわかりにくかったが、後半は次第に緊迫した展開となってゆくので楽しめた。最も信頼されるべきギャリソンが容疑者とされ、師弟対決という部分に面白さがあるのだろう。互いに優秀なエージェントとして手の内を読んでの行動、その行方はどうなるのか期待させる。
 しかし、ストーリーは何かすっきりしないし、すべては解決していないのではと思える。見方を変えれば、ドラマのなかで登場人物は皆、誰かに信頼を置いている。世の中それで成り立っているのかもしれない。しかし、信頼が失われたとき、不測の事態を引き起こすということだろうか。そもそも信頼とは何か?大統領が信頼していたギャリソンが、大統領夫人と関係しているというスキャンダル。どこか皮肉っぽいが、見張り役のシークレット・サービスとはいえ、心の中までは見張れない。鉄壁の守りでさえ、心の内は護れない。それでも、師弟ギャリソンとブレキンリッジの関係はといえば、嫌悪しつつも心はどこか絆でつながっている。互いを信じることで、真犯人を探し出すことに・・・。ギャリソンが皆に信頼されるかは怪しいが、本当の信頼とは、互いに認め合うことでしか得られないのだろう。

レディ・イン・ザ・ウォーター

Re アパートの管理人クリープランドは、毎夜プールで泳ぐ不審な者がいることに気づいた。その正体は“ストーリー”と名乗る女性。彼女は水の世界の精霊で、元の世界に戻る為に、恐ろしい怪物から護ってほしいという。

 「シックス・センス」のM・ナイト・シャマラン監督によるミステリー作品。現代のおとぎ話を独特の世界で表現する。それゆえ何か仕掛けがあるのではと疑って観てしまうのだが、意外にも普通に観られる物語だろう。そうは言っても、登場人物は皆、個性的で、物語の中心であるクリープランドは冴えない中年男。自身の過去の出来事から、世間から離れてひっそりと暮らしている。登場人物の名前からして、何か意味があるのかと思わせぶりだ。
 面白いのは、おとぎ話のなかで精霊を護る守護者や治癒者と呼ばれる人たち、それがアパートの個性的な住人たちと重なってゆく。思いがけない事態に戸惑うが、現実に現れた怪物に、クリープランドをはじめ住人たちは、彼女を無事に帰す為の作戦を考える。しかし、その役目を持った人は誰なのか?二転三転するあたりは絶妙なところ。観る側もいろいろと思案のしがいがあるのではないだろうか。そして、監督自身が出演しているのはいつものことだが、今回はしっかりと役を演じているではないか。この作品のもとになっているのは、自身の子供たちに書いた物語でもあるゆえ、なにかのサインなのだろうか。シャマランの夢を語っているようでもある。
 なにげない住人たちでも、誰しも気づかぬ才能を持っているもの、単に好きなことをしているだけかもしれない。あるいは忘れてしまっているのだろうか。それは無駄にしているのか?役立ててこその能力なのだろう。おとぎ話では精霊を救うことが人類の救済にもなるのだが、“人類の救済”というよりも、それを気づかされたアパートの住人たちやクリープランドではないだろうか。物語は、クリープランドの人生再生のストーリーというかたちで綺麗にまとめる。ドラマとして楽しめるが、やはり大きな仕掛けや衝撃のラストがほしかった。

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