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March 2006

SPIRIT スピリット

spirit06 幼い頃から武術へあこがれ、やがて天津一と言われる武術家になったフォ・ユァンジア。ある日、弟子に大ケガを負わせた武術家チンを怒りにまかせ殺害するが、その報復に母親と娘を殺されてしまう。生きる希望を失い彷徨い歩く中、見つけるものは・・・

 実在の武術家フォ・ユァンジアの生涯を描いた、ジェット・リー主演のカンフーアクション映画。“ジェット・リー最後の武術映画”というコピーが気になったが、アクション映画をやめるわけではないらしいのでひと安心。今作品は一人の武術家の生き様をとおして武術の精神を伝える作品なのである。それはアクション映画での格闘技と武術は違うということなのだろう。武術とは怒りをぶつけるものではなく、相手を屈服させる手段でもないということ、劇中で語られるが「己に勝つこと」という。それは日本の武道にも通じていて共感できる。そうはいっても堅苦しいだけではなく見せ場の武術大会での異種格闘技戦は面白く、純粋に武術を見せるあたりジェット・リーの原点のような作品ではないだろうか。
 舞台となるのは清朝末期、各国が覇権を争う時代。そして戦争へと突入してゆく時代でもあるわけで、力とは・・真の強さとは・・・。フォの悟った武術の精神には反戦のメッセージが伝わってくる。かつての慢心により悲劇を招いたこと、行倒れたフォを助けた盲目の娘との交流がフォの心を導くことになる。そのあたりの物語は面白いのだが中途半端で物足りない、あくまで武術を魅せる作品なのだろう。もっともフォ・ユァンジアは実在の人物でその生涯も伝説化されている。恋物語にはならないのだろう。それにしても気になるのは日本人による毒殺のエピソード。物語はおおすじフィクションなのだが事実のように描かれては少々不愉快に思える。まあ、日本人格闘家の田中(中村獅童)との交流でフォローしているのだが・・。もちろんこの二人の闘いは最後の見せ場でもあるわけで緊迫した闘いを楽しませてくれる。三節懇を使うジェット・リーには昔の作品を思い起こさせるところだ。闘うこと競うことで互いを高めあう武術。フェアな精神で各国の選手と戦うこと、その技も武器も違うのだが、最後に健闘を称えあう姿は理想の世界を体現しているのかもしれない。

エミリー・ローズ

emi 不可解な死を遂げた19歳の大学生エミリー・ローズ。警察は「悪魔祓い」を行っていたムーア神父を過失致死罪で起訴した。担当となった有能な女性弁護士のエリンは悪魔の存在など信じていなかったが、事件の真相を知り裁判で「悪魔の存在」を証明することに・・。

 悪魔祓いといえば映画「エクソシスト」のイメージが印象的で、神父と悪魔との壮絶な戦いを想像するところだろう。同じようなホラー映画と思いきや、趣はだいぶ違っていた。はなからホラー映画と思って見れば少々冷めた見方をしてしまうものだが、この物語は実際にあった事件と裁判をもとにしたものである。法廷を舞台にしたやり取りがより現実的な恐怖を感じさせている。裁判の行方も気になるが、同時に起こる不可解な出来事に法廷での戦いと悪魔との戦いが重なるあたり、たんなる法廷ものに終わらない。そして弁護士エリンのストーリーが絡むのも面白い。彼女は不可知論者で、宗教や霊的なものを信じてはいないはずだった。判決を有利にすることを考え、神父に取引を持ちかける。しかし、エミリーの思いを裁判で明らかにしようと取引を拒む神父。そんな彼女がエミリーに起きた出来事を知り、神父の思いを受けて悪魔の存在を証明しようとする。人を裁くこと、罪とは・・・ゲームのように駆け引きを行う裁判の危うさも見て取れる。心が抜け落ちたやりとりは検事が悪魔に見えるくらいにいやらしい。それはエリンも同じだったはずである。法廷ドラマとホラーが合わさって不思議な感じの作品になっているが、共通するのは心の闇ではないだろうか。 
 裁判で焦点になるのは、エミリーは精神的な病であったのか?治療をやめさせたことに過失があるのか?悪魔とは・・、信仰や心の問題になっては法廷での論議はもはや場違いのようだ。現実に起きた事態に不可知の部分が存在するのも事実。既知の事実を当てはめて裁くことなどできないのだろう。真実はわからないままであるが、エミリーに起きたことは事実である。判決には救われる思いと、最後にはエミリーの手紙に救われる思いである。はたしてこの裁判は悪魔との戦いに勝ったのか?人の心の悪しき行いに勝った裁判ではないだろうか。

イーオン・フラックス

aeon ウイルスにより人類の99%が死滅。科学者トレバーの開発したワクチンで生き延びた人たちは外界と隔絶した都市を築いた。400年後、トレバーの子孫により管理された理想の世界、それは圧政による偽りの自由・・。反政府組織の暗殺者イーオン・フラックスはトレバーの暗殺に向かうが・・・。

 スタイリッシュなアクションと映像で魅せる近未来を描いたSF作品である。こういった作品ではどういった未来が描かれるのか注目なのだが、やはり多くの作品と同じく明るい未来ではないらしい。どこかで見たような設定だが・・・・汚染された外界と隔絶された理想の社会。その風景はいたってシンプルなもの、現代とさほど変わってはいない。もっとも人類の大半が死滅した後の世界であるのだからそれもしかたない。人類の理想である「争いのない世界」しかし、人々は偽りの自由を与えられているにすぎず、一部の科学者によって統治された社会なのだ。疑問を抱かなければ普通に暮らしていける社会かもしれない。そういった世界で起こる姿を消す人々の謎。しかも、誰も気にも留めていない。ある意味恐ろしい閉鎖的な世界でもある。
 この作品の見どころは、全身武器の戦士イーオン・フラックスをオスカー女優のシャーリーズ・セロンが演じていること。社会派ドラマを演じる彼女がこういったアクションを演じるのは意外なところだが、自らこなすスタントなど感心する。そして注目してしまうのはそのスタイルかもしれない。「モンスター」での14kgのウエイトアップから一転、スリムなラインを披露して圧倒的な身体能力を持つキャラを演出する。魅力的なキャラゆえに続編を期待したくなるが、原作は短編アニメであり設定も人物も説明が不足して唐突な感じをうけるのもその為だろうか。そして物語の核心であるクローン技術の倫理と人類の存亡いった部分につながってゆくのだが、たんなるSFに収まらないテーマだろう。重いテーマゆえに物語の陰謀を絡めた部分は少々余計なものに思えてしまった。それでも活躍するのはすべて女性であり、女性の立場から発するメッセージには重みがあるのではないだろうか。クローンによる永遠の命に対して「人は死ぬ運命にある。だから生きる意味がある」と言い放つイーオン。造られた運命に意味は見出せない。未来を創るのは人類の可能性なのだろう。

機動戦士ZガンダムⅢ/星の鼓動は愛

z3 地球圏を二分するエゥーゴとティターンズの抗争は宇宙へと戦場を移すなか、第三の勢力“アクシズ”が現れた。さまざまな思惑が交錯し、カミーユたち少年は翻弄される。三つ巴の戦いは激しさを増し、その行方は混沌としてゆく・・・。

 新訳3部作もついに完結、TV版とはエンディングが違うということで今さらながら注目である。振り返ればTV版でのエンディングは悲しすぎるし、むなしさの残る思いがあったものだ。まあ、その後の続編の為ともいえる内容だったのだが、リセットされた続編はすっかりイメチェンしていたのも悲しかった・・・。今作品でも後の作品へのつなぎであるのは変わらない。それでも戦いの中に悲劇を見るのではなく、希望を描き出している。ファーストガンダムにも似た、ある意味一つの作品を締めるにはしっくりくるエンディングだろう。まあ、それでは後の作品との整合が取れない気もするが・・、いつの日か新訳ZZも作るつもりなのだろうか。少し期待したくなる。映像面を見るとエイジングについては先の作品同様であるが、新作カットも多くリニューアルしたシーンに違いを見つけるのも楽しめる。吹き替えの違いでシーンのニュアンスが微妙に違ってくるのも面白いものだ。
 今回のストーリーはTVシリーズの終盤でもあり、全編、戦闘シーンばかりが目立ってドラマが少ないが、その中にも各勢力による覇権争いの構図とえげつない駆け引き、裏切りなどが詰まっていて、集約された分わかりやすいのではないかな。ファーストより続くシリーズでは人物の設定からして描かれていたのは子供と大人の立場。成長する主人公を戦争という極限の中に描いていた。それは理不尽な世界、大人たちの都合による道理に戸惑う少年たち。あんがい現実の世界を映しているのかも。それに対してカミ―ユたちの思いを子供のたわごとと言い切る大人たち。(といっても意外に若い設定だが・・・)オンタイムで見た世代はすでに子持ちの世代だったりするわけで、決してたわごとではなかったはずなのだが今はどっちの立場で見られるのだろうか。親子で語れる作品なんて少ないものだが、息の長い作品だけにいつか3世代で見ることもできるのかな・・。

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