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July 2005

アイランド

island 近い将来、環境汚染によって外界から閉ざされた施設で生活している人類。人々は地上最後の楽園である“アイランド”への移住を夢見ている。そんな生活に疑問をもったリンカーンは、ふとしたことから施設の恐ろしい秘密を知ってしまった。ここの住人はクローンであり、施設は移殖用の臓器を生産する工場であったことを・・。

 マイケル・ベイ監督による未来を描いたSF作品であるが、迫力あるアクションとコミカルな演出が効いた“らしさ”を魅せる。ここで描かれる世界は現代とさほど変わらない風景、その中に散見する未来の建造物や乗り物が現実的な未来を表現している。そして、SFでは度々取り上げられるクローン技術だが、実現可能であるなら倫理をどうするかという人類に突きつけられた大きなテーマである。主役であるリンカーンを演じるのはユアン・マクレガー、幅広い役を演じているがアクションシーンもよく似合う。そのアクションシーンはマイケル・ベイらしいものだ。ハイウェイのカーチェイスなど「バッドボーイズ2」にかぶっていて比べてみても面白い。現実的な描写がアクションシーンをリアルなものにしているのだろう。それにしても、ここで登場する空飛ぶバイクは未来を先取り過ぎかもしれない、面白いシーンになっているのだが。(音が宇宙船みたいなのはご愛嬌か・・)
 この作品が示したものとは・・、クローンに対する倫理だけではないだろう。施設を脱出したリンカーンとジョーダンだが、彼らにはクローンを依頼したオリジナルが存在する。オリジナルは快楽をむさぼり、結果として痛んだ臓器のスペアを金で買う。知らないとはいえ自身のクローンを殺すことに平然としているあたり無責任なところだ。オリジナルとクローン、いったいどこが違うのか?体は同じだが、その心は?性格も同様ならオリジナルとの違いはないのだろう。しかし、純粋に育ったクローンのほうが人間らしいではないか。その心は本来オリジナルが持ち合わせていた心ではないだろうか。未来の人類が失ったもの汚れたもの、それは環境ではなく人としての心かもしれない。お互い生きるために必死であるのは同じこと。生きる為の犠牲、それが自身であったなら殺すのは自身の良心かもしれない。まぁ、この作品で描かれたのは極端に行過ぎた未来である。リンカーンたちにとってアイランドは架空のものだったが、彼らの持つ純粋な心は人類にとって残されたアイランドではないのだろうか。

ダニー・ザ・ドッグ

dannythedog 幼い頃から犬と同然の扱いをされ、戦うことだけを教え込まれてきたダニー。借金の取り立てと用心棒として生きる日々であった。ある日、出向いた先で古いピアノを見つけなぜか心を奪われる。そこに現れた盲目のピアノ調律師サムとの出会いが、過去の記憶と人としての意識を目覚めさせてゆく。

 人として生きることさえ知らない、人を殺すことも厭わない男“ダニー” をジェット・リーが演じている。リュック・ベッソンの脚本であり、「キス・オブ・ザ・ドラゴン」以来のコラボレート作品である。その作品では、愛する者を護るため悪党に怒りの制裁を下すのだが、今作での怒りの矛先はどこに向けられるのか。意味合いの違いは注目である。ジェット・リーは格闘技はお手の物だが、知能は幼いままといったこれまで演じたことのない役柄だけに、観ていて不思議とその世界に引き込まれてしまった。もちろん台詞は少なく、脇を固める役者が重要なところだが、そこは百戦錬磨のモーガン・フリーマン演じる盲目のピアノ調律師サムがうまく作品をまとめているようだ。盲目ゆえにダニーの心を見ていたってところだろうか、二人のやり取りは面白く心温まる。それにしても最近いろんな映画に顔を出しているフリーマンだが、居るだけで作品の雰囲気を変える存在感はさすがだ。それゆえに主役のダニーを喰ってしまいそうなのは難点かもしれない。そして、サムの義娘ヴィクトリアとのやりとりもほのぼのとして、幸せな恋人同士のようである。しかし、ここでの3人はそれぞれ失ったものがあるわけで、視力であり、母親であり、過去の記憶である。それぞれ欠けているものを補いながら暮らす姿は、本当の家族とは…考えさせられます。それを結びつけるのは、共通のよりどころピアノであって音楽である。なんかいい感じです。近頃のショッキングなニュースとは対照的に見える。それにしてもダニーの境遇は、幼い頃から監禁されて育ったという昔であったならありえないって思えるシチュエーションだが、今では何処かリアルに感じるのは嫌なご時世である。
「ピアノは人間に似てる。人間を叩くと壊れてしまうだろう。ピアノもだ。」サムがダニーに言った言葉は幼い子供をさとすかのようであるが、それは現実の世界へ向けられたものなのかもしれない。

宇宙戦争

war_worlds レイ(トム・クルーズ)は別れた妻から久しぶりに子供たちを預けられ張り切るが、どうもうまく行かない。さえない父親であるが、そんな平凡な日々を変える衝撃的な出来事が起こる。突然激しい雷が過ぎた後、地中より巨大な三本足のマシーンが現れた。それらは街を一瞬で灰にしてしまった。子供たちと決死の逃避行を続けるが・・・。

 H・G・ウェルズの有名なSF小説の映画化である。随分と古い古典的な小説であるが、今思えば何処か現代を風刺しているようにも感じられる。今作は数々の異星人を描いてきたスピルバーグによる映像化であり、どういった解釈がされるのか注目であった。そして、この映画作品で描かれるテーマは何なのか?家族愛、絆といったところであろうか。トム・クルーズとダコタ・ファニングの演じる親子であるから、そのあたり期待してしまうが、どうも淡々とした展開に深いドラマは感じられない。レイは必死に子供を護ろうとする父親であり、戦うことより護ることを説く。戦うことと護ること、相反するジレンマは反戦のメッセージも込められているのだろうか。結局家族の絆を取り戻したかは曖昧でもある。どうやら原作もそうであるが、パニックを描いたシミュレーションのように見える。主人公レイの家族をとおして見る、逃げ惑う人々。極限状態の人々。確かに臨場感があって現実のことのように見える。こういった状況で、ほんとうに怖いのは人間自身かもしれない。実際のところエイリアンのマシーンが街を破壊するなんてありえないことだが、リアルな映像に自然災害のように見える。今だからこそ出来る映像表現であり、原作のもつリアリティーを伝えている。
 それにしても小説は有名だからエンディングの落ちもわかってしまうのだが、凄い科学力を持ったエイリアンがなぜ細菌に気が付かなかったのか?といったところは誰しも思うところだろう。劇中ではエイリアンが圧倒的な力で侵略して自ら住み易い環境を作ろうとしているのだが、これって人類が現在もしていることではないのだろうか。結果として自身にも災難がもたらされるのも同じかもしれない。環境破壊や動植物の絶滅。驕れる人類に対する警鐘なのかもしれない。ここで描かれたエイリアンは人類にとって凶悪である。見かたを変えれば、人間もまた凶悪なエイリアンなのだろうか。

スター・ウォーズ エピソード3 シスの復讐

sterwars_eps3 強大な権力を握りつつあるパルパティーン最高議長。やがてジェダイ評議会の不信を招き、その正体が明らかとなる。しかし双方の間で揺れ動くアナキンの心は、パドメの死の予兆に苛まれフォースの暗黒面へと向かってしまう。

 ついに長きにわたるストーリーは完結し、一つにつながった。今回、登場人物(人でないかも・・)も集約されて、すべての作品をつなぐエピソードでもある。まぁ、結果は分かっているのだが、今まで見えなかった核心部分が明らかとなり、全6作を通して一つの壮大なストーリーとして観る事ができた。あらためて振り返ってみれば、昔に観た旧3部作にはあまり深い意味を感じなかった。痛快なSFにしか見えなかったのだが、新3部作を通して見事につながり、さまざまな伏線となるあたり旧作に新たな意味付けがされているようだ。それは、新シリーズを通してダース・ベイダーというキャラクターの誕生が描かれ、単なる悪の権化ではないというところに現れている。旧作での意味合いも、また違って見えてくる。そしてこの作品を観て、これまでフォースやダークサイドといった抽象的な表現で分かりにくい部分も、今回のアナキンの言動で意味が分かった気がする。SFだけの話かと思っていたが、人の心にある憎悪、生と死といった案外身近なテーマがこのシリーズを通して描かれているようだ。
 そして、楽しみの一つであるVFXの映像は、回を重ねるたびに進化していて驚ける。画面いっぱいに繰り広げられる戦闘シーンなど、緻密な映像は画面の隅々まで見たいところだ。見どころは、オビワンとアナキン、ヨーダとシディアスの戦いだろう。旧作での謎めいた部分が明らかになるだけに目が離せない。
 それにしても28年もの年月を経て、イメージを崩すことなく完結するのには感心する。現在の映像技術あってのことではあるが、すべてははるか昔に計画されていたのだから壮大な構想である。観ている側としてもやっと一つの作品を観終わった感じがするが、子供のころ楽しんだ作品が今も楽しめるのは嬉しいかぎり。新たなエピソードも期待したいが、もう一度、旧作を観て楽しめそうだ。

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