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May 2005

ザ・インタープリター

inpri  国連通訳のシルヴィア(ニコール・キッドマン)は、偶然、祖国マトボ共和国の大統領暗殺計画を耳にしてしまう。以後、何者かに狙われる危険を感じ、シークレット・サービスのケラー(ショーン・ペン)が護衛することになる。しかし、彼女にも疑惑がかかることに・・。

 ニコール・キッドマンとショーン・ペン、実力派の共演となったこの作品は二人の演技をただ楽しみたい。ストーリーラインは大統領暗殺という大事件をめぐる攻防であるが、大げさなアクションもなく、意外にも心理的なドラマが展開する。祖国マトボでの過去を捨てたシルヴィアと、一方、妻を失ったシークレット・サービスのケラー。互いに過去を隠した二人の駆け引きは、疑念が信頼に変わるまでを描いている。役者の演技のみで魅せる場面も多く、二人の演技には引き付けられる。セリフの無いシーンでも表情だけで伝わるのはさすがだ。それにしてもこの二人、役によってずいぶん印象が違ってみえるものだ。
 互いに過去の傷を持つもの同士、劇中では“川の対岸”と例えていたが立場も対照の世界に生きる二人である。言葉による外交を信じるシルヴィアと、暴力に力で対抗してきたケラー。この二人の心理的な変化は見どころであり、最後にとった行動は意外である。それは対岸にいる立場へのもどかしさなのだろうか。対話だけでは解決しない事実、しかし暴力だけでも解決しない事実。国連を舞台にしているだけに、国際問題の縮図に見えなくも無い。そして、物語の謎を深める暗殺をめぐる駆け引きは、少々複雑な構図になっていて分かりにくいかもしれない。いくつかの勢力による攻防の部分は、どうも二人のドラマに隠れてしまっているのか理解するのに時間を要した。そして、見ている側としては劇的な幕切れを期待するところだが、そのあたり少々拍子抜けかもしれない。あくまでも二人のドラマがメインのようである。それは最後のシルヴィアとケラーの駆け引きであり、手に汗握る場面であった。どう転ぶか分からない展開、そういう作品って案外少ないものである。

キングダム・オブ・ヘブン

kingdom 時代は中世、エルサレムを舞台にした物語である。フランスの片田舎、妻子を失い悲しみに沈むバリアン(オーランド・ブルーム)のもとに十字軍の騎士が訪れた。エルサレム王国イベリンの領主である男は父親であることをつげ、聖地エルサレムに行くことを説く。やがて騎士として、父の意思を受け継ぎ正義を貫く。
 
 さまざまなジャンルで話題を提供する、リドリー・スコット監督による歴史大作である。実際の出来事をモチーフにしているが、歴史の中で埋もれてしまいそうなエピソードと、一人の騎士にスポットをあてた部分は面白い。それゆえに中立的だが、ここで描かれているのは聖地エルサレムを巡る宗教の対立である。それは現代にまで続く争いの一端であるのは意味深い。争うことは神の為なのか?異教徒を殺すことは正義なのか?本当の正義とは?案外単純なことのようだが・・・・・。そんな世界に、理想の王国を守るため正義を貫いた小さな英雄を描き出す。
 主演は、またもや鍛冶屋のオーランド。正義感あふれる騎士に成長する姿を演じる。美形と言われる彼だが、随分と男っぽい役も似合っているではないか・・・。これまで脇役が多かったが、今後の作品には期待できそうである。今作で脇を固めるのは、父親ゴットフリー役のリーアム・ニーソン。国王ボードワン4世にはエドワード・ノートン(仮面をつけてちゃ分からんが・・)であり、存在感のある演技でバリアンを助けている(?)。映像としては、大作らしいスケールの大きな戦闘シーンなど見ごたえがある。このあたり最近の歴史物の作品と被る部分であるが、どう戦うのか比べてみても面白い。そして、この作品を観ていると、劇中に出てくるセリフにはいくつか心に刺さるメッセージも込められているようだ。単にエルサレムにおける争いだけではなく、世界に発したメッセージではないだろうか。一地域の構図ではなく世界における争いの構図でもあろう。互いの文化を認め、異教徒たちが共存する世界。それは理想の世界であるが、ほんの一時だが1,000年も前に実現できたのだから、かなわぬはずはないと思いたい。歴史物の作品であるが現代と被って見えるのは、この作品のテーマが人類永遠のテーマであるからだろう。

ブレイド3

blade_3 ヴァンパイアの血を受け継ぐヴァンパイアハンター“ブレイド”。今回の敵は、ヴァンパイアたちによって復活した始祖のドラキュラ“ドレイク”。さらに、罠にはまり人間を殺したことによりFBIにまで追われる身となってしまう。孤独な戦いを続けるブレイドの最大のピンチ!
 スタイリッシュなアクションで魅了するブレイドシリーズ。3作目ともなると、映像もアクションも洗練された印象を受ける。本来ならばグロいシーンだらけのスプラッタムービーになってしまうところを、爽快な格闘シーンで見せるのはこのシリーズならでわの観どころ。決してメジャーではないコミックのヒーローだが、映像の中では強い存在感をみせている。まぁ、原作とは離れた設定であり、ウェズリー・スナイプス演じるブレイドのキャラクターあってのことだろう。そういえば初めに見たときはカッコよいとは思えなかった。いでたちはどうみても不良オヤジ(?)なのだ。それが刀を振り回し、数々の特殊な武器を駆使して頑張る姿はしびれる。ノリはヒップ・ホップ、怖そうでもどこか愛嬌のあるところが魅力的である。
 ストーリーは、痛快なアクションがあってもどこか悲しさや空しさがあった前2作とは趣が違っている。主役はもちろんブレイドなのだが、脇役陣が目立っているのには注目である。今後の新たな展開を匂わせるが、新旧交代ともとれる。「ナイトストーカーズ」なるヴァンパイアハンターの組織が存在して、相棒ウィスラーの娘であるアビゲイル(ジェシカ・ビール)と、一度はヴァンパイアになったというハンニバル(ライアン・レイノルズ)が登場する。かなり強引な設定だが、ピンチのブレイドを救う仲間である。二人が使う対ヴァンパイアの武器も個性的。少々、3人のアクションシーンが強調されて、肝心のストーリーが薄いのは気になるかも。その他世界各地で戦う同志がいることがあきらかになって、作品の描く世界は大きく広がりをみせている。ヴァンパイアとの戦いは結末には至らないし、この作品で終るにはもったいない。原作を離れた展開も期待したいが、そのときの主役は誰なのだろう・・・・

インファナル・アフェアⅢ 終極無間

infernal_aff3 警官としての道を選んだラウ(アンディー・ラウ)は、自分の正体を見破ったヤン(トニー・レオン)の死後、警察内に残る潜入マフィアたちを始末してきた。しかし、自分の正体を知るもうひとりの潜入マフィアの存在を感じ始めていた。
 警察とマフィアそれぞれの潜入者を描いた1作目「インファナル・アフェア」。対照的な2人が織り成すドラマはスリリングで面白いストーリーであったが、いくつかの謎を残していた。さらに10年間の空白もあり、理解できない部分ではどうも唐突な印象であった。昨年公開の2作目では物語の発端を描き、今作では1作目にあった大きな空白を埋め、その結末を示した作品でもある。シーンや時系列が1作目と密接にかかわっていて、より理解を深めることができる。前2作と違うのは、ほとんどが過去の出来事についての回想であり、時系列が目まぐるしく変わり目の離せない展開であること。さらに、映像的にはラウが生前のヤンをダブらせるシーン等どこか幻想的な世界も表現される。1作目の補足にとどまらず、ラウの精神的な世界を垣間見るようで、単なる続編ではなく3部作をより深いものにしている。そして、緻密にリンクした過去と現在のエピソードは1作目の補足であるが、新たな登場人物であるエリート警官ヨン(レオン・ライ)の登場によって、物語は急展開を迎える。エリート警官という同じタイプの二人の駆け引きもまた、スリリングで楽しめる。しかし、かなり重要な役なのだがヤンとの関係など今作でしか関わっていないのは唐突で、前作からの伏線がほしいところかもしれない。一方、ラウの姿は今作ではちょっとコミカルに見える。笑顔も見せるあたり、かなり善人のように見えるのが印象的だ。その分エンディングが空しすぎる・・・。はたしてラウは無間地獄から抜け出せたのだろうか? どちらの意味にも取ることが出来るが・・・
 密接にリンクする現在と過去、正義と悪、宗教的であり哲学になってしまう。考えると全ては“因果応報”3部作を巡っているようだ。それぞれ違った雰囲気の作品であったが、一つの作品として見られるのは面白い。

ハイド・アンド・シーク

hide_seek 自殺による母親の死に、娘のエミリーは大きなショックを受ける。父親である心理学者のデビットは、幼い娘の心の傷を癒そうと静かな郊外へと引っ越した。しかし、心を閉ざしたエミリーは自分にしか見えない友達チャーリーと遊ぶようになってゆく。さらに不可解な事件が毎晩起こるようになり、次第にエスカレートしてゆく。
 見えない者の恐怖と謎を描いたスリラー作品である。登場人物も少なく、ちょっと古びた一軒屋が舞台であるから演技力のある役者あっての作品である。父親役は存在感のあるロバート・デ・ニーロ。さすがにさまざまな役をこなしているだけに、よき父親を演じる(?)。娘役には、こちらももはや有名なダコタ・ファニングである。これまでの役とは一変、心を閉ざした怪しげな少女を演じる。どちらも迫真の演技で物語の謎を深めている。ストーリーとしては、エミリーの遊び相手であるチャーリーは何処にいるのか。事件を起こしているのは誰なのか?といったスリラーの定石どおりの展開である。謎に対する恐怖と、最後のどんでん返しが醍醐味であろう。いくつかの怪しげな人物が登場するあたり謎を深めるが、こういった作品では結末を見てしまえば「なーんだ、そんなことか」と笑ってしまう。予想が覆されるほど面白く、伏線などを振り返って楽しめるものだ。映像とBGMで恐怖をあおり、突然の効果音とともに衝撃が襲う。おもわず驚かされるが、このあたりあまり凝った脅かしかたでないので、余裕をもって驚ける(?)しかし、ストーリーとしてはよくあるスリラーであって、勘のよい人なら物語半ばでなんとなく気付くかもしれない。大仕掛けもないので少々物足りなさも残る。もう少しひねりのあるストーリーであったなら、エンディングの余韻も違うのだろう。そういえば謎めいた部分はいくつかあるのだが、あまり重要でなかったりする。デビットが毎晩目覚める2時6分や、森にある洞窟だが、これらはなにか意味があったのかと思ってしまうがどうも定かでない。命がけのかくれんぼ・・テーマもどこか隠れてしまったのだろうか。

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