『エキストロ』の感想

Extro 63歳の歯科技工士、萩野谷幸三はエキストラ事務所に所属して、映画やテレビドラマの撮影に参加する日々を送る。ほんの一瞬でも映ることを楽しみにしている萩野谷だが・・・。彼をとおして撮影現場の悲喜こもごもを見ることに。

 茨城にあるロケ施設『ワープステーション江戸』を舞台に、エキストラに夢見る者たちを描いた作品です。ここでは、ごく普通のオジサン萩野谷幸三をドキュメンタリー風に追いかけています。失敗やアクシデントなど撮影現場の「あるある」といった感じが面白いところですね。まあ、地元民としては人物像や原風景も含めて何だか親近感を覚えます。本当にドキュメンタリーでもよかったのですが、それだけでは場が持たないのでしょう。シュールな笑いから次第に、こてこての喜劇になってゆくようで興覚めなところもあります。
 こんな世界があるとは、何だか観ていてエキストラに興味が湧いてきますね。不器用ながら、何故に萩野谷幸三がエキストラに夢中になっているのか?も少し深掘りして欲しかったですねぇ。

『Fukushima 50』の感想 

Fukushima 2011年3月11日、東日本大震災発生。この巨大地震は想定外の大津波を引き起こし、福島第一原子力発電所を襲う。浸水によって全電源を喪失し、冷却機能を失った原子炉は想像を絶する被害をもたらす恐れがあった。原子炉に残った作業員たちの懸命の対応が続く。

 3.11に起きた大震災と原発事故。9年も経つと、少し記憶も薄れてゆきそうです。あの時、何が起きたのか?改めて整理するにはよい機会かもしれません。その場に居たものでなければ分からないところもあります。住民の立場や、作業員の立場、会社の立場、それぞれ言い分はあるはずですから、この映画の内容だけがすべてではないでしょう。ここでは原発の作業員の目線で何があったのかを知ることができます。
 刻一刻と迫る原子炉の危機。当時のニュースで伝えられた内容と、劇中の対応が重なって、より緊迫感があります。本当に命がけの対応をしていたのだと感慨深く、そして怖さを感じました。この作品は将来への教訓のようでもあるけれど、作業員の立場から見た複雑な思いが伝わってきます。

『野生の呼び声』の感想

Yobigoe 19世紀末、ゴールドラッシュに沸くユーコンで、そり犬として売られたバック。もとは飼い犬として可愛がられていたものの、屋敷から誘拐されてきた。過酷な環境のなか、ほかの犬たちや人間とのかかわりを学び、やがて本能に目覚めてゆく。

 ジャック・ロンドンの冒険小説の映画化です。何度も映像化されてきた名作が現在の映像で、どう表現されるのか注目です。ペットとして可愛がられてきたセント・バーナードのバックが様々な人間と出会い幾多の冒険を繰り広げます。そう、犬が主人公ですから、気持ちが伝わる演技や表情が面白いところでした。
 バックが主人を変えながら数奇な運命をたどり、最後に出会ったのは一人旅を続けている男ソーントンでした。バックと人間との関係が変わってゆくあたり、犬の目線から見た不条理が感じられます。犬の気持ちになれそうですね。ただ、ソーントンの旅の事情がわかりにくくて、バックとの絆は伝わらないところです。まぁ、バックはアラスカで狼と出会い野生へ還ってゆくわけですが、比べて人間はどうなのか?犬目線だけど、他人事には思えない話でした。

『1917 命をかけた伝令』の感想

1917 1917年4月。第一次世界大戦中の西部戦線では連合軍とドイツ軍との激しい塹壕戦が続いていた。ある日、イギリス兵のスコフィールドとブレイクは、将軍から前線へ重要なメッセージを届ける任務を命じられた。前線の兵士を救うため、二人は敵地へと踏み込んでゆく。

 ここで描かれるのは戦時中の、まさに命をかけた任務でした。戦場に分け入る二人の兵士に密着するような映像は緊迫したまま続いてゆきます。何が飛び出すのかわかりませんし、前半はほとんど二人だけのやり取りでしたが、そのぶん戦場の緊張感が伝わるようです。
 物語としては戦場のよくある出来事のようで、大きな展開はありませんし任務を全うするために奔走する姿が映し出されています。前線にいる兄弟を救うため、味方の兵士を救うためではあるけれど、その代償もはかり知れません。結局、命をかけて任務を全うしても戦争は終わりませんし、救った命も明日には失うかもしれません。物語としても戦争の無情さを見る以外に何も残らない感じがしました。まぁ、これは戦争の現実を見るということなのでしょう。

『バッドボーイズ フォー・ライフ』の感想

Bad_boy  マイアミ市警の「バッドボーイズ」 こと、名物刑事のマイクとマーカス。しかし、孫の生まれたマーカスは危険な生活から引退を決意していた。その後、マイクの周囲で殺人事件が続き、マイクもターゲットになってしまう。マイクとマーカスは再びコンビを組んで事件に挑む。

 久しぶりに「バッドボーイズ」が還ってきました。とはいえ、もうボーイではなくオジサンですね。マーカスには孫ができて引退を考えているわけです。マイクは相変わらず、ちょい悪でカッコイイですけど、やはりオジサンです。昔のような強引な捜査も時代遅れになろうとしている昨今です。まぁ、この二人が無茶しているのがシリーズの面白いところでしたが、そうはいかなそう。
 今回は過去の因縁からマイクに復讐するべく事件が起きています。マイクの過去が明らかになるあたりは興味深いところですね。どうやら話も無茶苦茶になってきたけれど、マイクたちは相変わらずの無茶ぶりを見せてくれます。
 新たな展開を予感させるエンディングに期待してしまいますが、本当のバッドボーイズになってしまうかも。

『キャッツ』の感想

Cats ロンドンの片隅で、ゴミ捨て場に捨てられた白猫のヴィクトリア。そこで出会ったのは個性豊かなジェリクルキャッツたち。様々な出会いを経て、ヴィクトリアは自分らしい生き方を見つけてゆく。そして今宵、特別な舞踏会が開かれようとしていた。

 有名なミュージカル『CATS』の映画化です。劇場で気軽に見れるなら見ておかないと・・・。そんな感じで見てみましたが、まさに舞台そのままといったところでしょうか。もちろん映画としてのメイクなど映像表現はあるけれど、まるでショーを見てるようです。できれば映画ならではの表現や、スケールの大きい映像が見たいところですね。その辺りは好みの問題かもしれません。
 そして物語は、猫たちが新しい人生を目指しているなど、漠然として分からないところでした。これではストーリーはあって無いようなものですし、ヴィクトリアの目線で全編にわたって歌って踊る猫たちの世界が表現されています。まぁ、メインは舞踏会ですから、豪華キャストのパフォーマンスを楽しんでもよいのかもしれません。

『記憶屋 あなたを忘れない』の感想

Kiokuya 遼一は恋人、杏子にプロポーズするが、数日後に会ったとき彼女から遼一の記憶だけがすっかり消えていた。信じられない遼一は、人の記憶を消せるという都市伝説『記憶屋』の存在を知り、杏子の記憶喪失の原因を調べ始める。

 第22回日本ホラー小説大賞受賞作品の映画化です。ホラーといっても、あまり恐怖は感じられず、不思議なラブストーリーのようでもあります。まぁ、突然、恋人から記憶がなくなったなら怖いですけど。
 ここでは人の記憶を消せるという記憶屋が実在して、消したい記憶とは何なのか?それを消すことで誰が救われるのか?人それぞれの思いがあって、記憶とは何かを考えさせられます。思えば記憶とは不思議なものですね。忘れてしまうことも、忘れられない記憶もありますから。それぞれが抱える心の闇は相手には見えないわけで、その辺りは見ている側にも伝わってこないところです。
 遼一は恋人の記憶を戻すために記憶屋を探していたけれど、戻すことはできなかったのでしょうか。余韻を残すエンディングだけれど、モヤモヤが残るだけのよう。

『フォードVSフェラーリ』の感想

Fodovs 1960年代、フェラーリ社の買収に失敗した巨大メーカーのフォード社。対抗心からル・マンで無敵を誇るフェラーリに勝てる車の開発を気鋭のカー・デザイナーであるシェルビーに依頼した。この無謀な要求にシェルビーは破天荒なレーサー、マイルズと共に挑む。

 1965年のル・マン24H耐久レースで優勝した伝説のレーシング・カー、フォードGT40の開発秘話です。企業間の確執に端を発した、プライドを賭けた戦いが面白いところですね。そこに情熱を持った男たちがいて、支える家族がいます。そうはいっても無謀とも思える短期間での開発の背景が興味深いところでした。描かれているのは開発のドラマなのか、シェルビーの苦悩なのか?少し焦点がボケているようですが、開発チームの一人でドライバーのケン・マイルズの物語のようです。彼の性格は破天荒でドラマチックな人生ですからねぇ。浮き沈みの激しい人生の悲喜こもごもに共感してしまいます。
 まぁ、リアルなレース・シーンと優勝までのドラマに引き込まれました。結果は分かっていても、やはり実話ゆえに説得力がありますもの。

『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』の感想

Sw9 レジスタンスの僅かなメンバーは、反攻するべく銀河中から同士を募る。一方、ファーストオーダーの指導者となったカイロ・レンは、シス復活の動きを察知して銀河の深淵を目指していた。ルークから遺志を継いだレイと仲間たちも同じく最後の戦いに向かうことに。

 

 ついに長きにわたる物語は完結です。終わってしまうと何だか感慨深いものがありますね。初期の登場人物が再出演して締めるべくシリーズでした。初期の3部作に重なるところも多いですし、移り行く怒涛の展開にシビレます。ただ、今作にいたっては前2作から何だか急展開のようで、ついてゆくのが大変でした。このシリーズではシスの復活がカギになっていたのですねぇ。シディアスの登場やレイのルーツが明らかになるなど、光と闇の対決はここに完結するわけです。
 ところでスカイウォーカー家の話はよくわかったけれど、パルパティーン家の話がよく分かないところですね。そのほか魅力的なキャラが多数登場する割には扱いが薄かったりするのは、スター・ウォーズならではでしょうか。是非ともスピンオフで再登場してほしいところです。どんな『スター・ウォーズ』になるのか?新シリーズのスタートがたのしみです。

『ジュマンジ/ネクスト・レベル』の感想

Jyumanji2 不思議なコンピュータ・ゲームのクリアから2年が経ち、スペンサーたちは大学生となっていた。しかし、あの時の興奮が忘れられず破壊したジュマンジを、こっそり修理するスペンサー。またもや吸い込まれてしまい、仲間たちも救出に向かうが前回よりも難易度がアップしていた。

 

 2年前にクリアしたコンピュータ・ゲーム『ジュマンジ』に再び挑戦です。2回目ということでゲームの世界はレベルアップしているわけで、映像としても怒涛の展開です。しかも、キャラが前回と入れ替わっているあたりも面白いですね。スペンサーのお爺ちゃん加わって波乱含みでした。ただゲームのストーリーは何だか分からないところです。まぁ、ゲームですから何でもありなのだけれど、様々なステージをクリアしてゆくあたり楽しめます。
 なりたい自分になれるのがゲームの世界だけれど、今回はお爺ちゃんたちの活躍がいいですねぇ。若かりし頃、それ以上のスペックにご満悦のようです。ところで、スペンサーは前回の活躍と現実のギャップに悩んでいたわけですが、本当の自分はどちらなのか?究極のVRゲームは人生をも変えてしまうようです。

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